「息を深く吸って、細く長く吐き出しましょう」
ヨガのクラスで必ず耳にするこの言葉。自律神経を乱し、パニック発作が続いた頃、携帯の画面には「119」といつでもかけられるようにスタンバイし、良くわからない不調に、不安や恐怖のピークにいた頃の私にとって、実はこの「呼吸を整える」という行為が、難しく、どうしても自分自身を信頼することができませんでした。
今回は、そんな私がほんとに少しずつ呼吸って味方になるんだ。と感じることが出来た、感じさせてもらえたお話し。

1. 「吸って、吐いて」が上手く出来ない恐怖。
自律神経のバランスが崩れていた当時、私の呼吸は常に浅く、強張っていいたのだと思います。
「呼吸を整えれば、自律神経が整う」
「ゆっくり吐けば、副交感神経が優位になる」
頭ではそのメカニズムを理解していたり、実際にヨガスクールでもしっかりとした学びを受けることが出来ました。けれど、いざ目を閉じ、自分の呼吸に意識を向けようとすると、「私、ちゃんと吸えているだろうか」「このまま息が苦しくなったらどうしよう」という疑問とともに、実際に、パニックになりそうな時や、子供との日常で頭に血が上りカァっ!!ときてしまう時、何もしてない時でさえも肩に力が入るほど何故か緊張している時に、意識的に、「呼吸をしなくちゃ!(だって呼吸をすると落ち着くんでしょ、私の呼吸、助けてよ!と思っていました)」と思うと余計に苦しくなってしまい全く心地よくありませんでした。
当時の私にとって、自分の呼吸に意識を向けること自体が恐怖でした。呼吸という、生きるために当たり前のシステムをこんなにも注目することなんてありませんでした。と共に信じられなくなっていたのです。焦れば焦るほど胸は締まり、喉が狭くなるような感覚。
「みんなが当たり前にできている深い呼吸が、なぜ私にはできないんだろう……」と、落ち込んでしまう日も。
2. 呼吸が巡る感覚、それはひたすら行うアーサナ(ポーズ)が鍵だった
そんな頑なだった私の心を解きほぐしてくれたのが、ヨガのポーズ(アーサナ)による身体の修練でした。
呼吸を直接コントロールしようとすると緊張してしまう。それなら、まずは呼吸が入るための「器(身体)」をポーズで整えていかなきゃダメだな」と実践。きちんとそう思って、やっていた訳ではありませんが、身体を動かすことが習慣になっていました。特に集中して身体を動かすと、その瞬間や、その後、不安を忘れていることに気が付いていきました。ヨガスクールの先生も仰っていましたが、身体を動かし始めると、少しずつ胸まわりや背中がほぐれ、物理的に息が入りやすい身体へと変わっていきます。まさに「身体を整えることが、静かな瞑想(心の静寂)へと近づく」というヨガの教えを、ほんのすこしですが、身をもって体感してきました。
さらに、東洋医学を学んだことで「気(エネルギー)」の巡りという視点が加わりました。 人間ドックでは異常がなくても、目に見えないエネルギーが滞り、自律神経の乱れとして身体に反射的に現れていたこと。そして、私自身が先天的に持っている(東洋医学がご専門の先生に診ていただいたところ)「水」のエネルギーで恐れが前に出てしまう事や、子供との日常ですぐにカァっと怒りに繋がりやすい「木」のエネルギーのバランス。
「あぁ、私の呼吸が浅かったのは、体内のエネルギーが滞り、高まりすぎた怒りや、恐れのエネルギーが行き場をなくしちゃったのかな。」
そうやって考えると段々と色々な事が腑に落ちていきました。呼吸は、急にしようと頑張るものでではなく、滞った「気」をただ流してあげるように、まずは呼吸とともに身体をしっかりと動かしていく事で、その後に必ずやって来る、「静寂」があることに気が付いていきました。それが最も呼吸が落ち着いて、体と心どちらも穏やかになる事も体験していきました。それが鍵になるんだと思えるようになりました。自分の信頼の無さが、少しずつ変わっていったのです。
3. 神社の澄んだ空気の中で、今、呼吸を信頼するということ
呼吸をなかなか信頼できなかった私。今もまだ、子育て中や、なんとなく身体がだるい時もあります。
現在、私はご縁があって「神社ヨガ」を開催しています。
神社という場所は、一歩足を踏み入れるだけで、自然の生命力と神聖な静けさに包まれる特別な空間です。青々と茂る木々、通り抜ける風、どこか背筋が伸びる感覚、でも温かい澄んだ空気。
「呼吸を信じる」ということは、委ねることに近いかなと思います。
不調が怖くてたまらなかった時期がありました。そして、呼吸を通じて委ねる、委ねていいんだという事を知りました。まだ完全に委ねきれていません。自分の湧いてくる思考、心の、vrtti(様態・動き)に負けてしまう日々ですが、だからこそヨガをするんですよね。
ぜひ神社の澄んだ空気の中で、身体をしっかりと動かしたあとにマットに横たわってみてください。
身体の力を抜いて、自然の巡りにすべてを預ける心地よさを、ぜひ一緒に味わいましょう。
心と体をつなぐヨガ
chiharu

