美容師として働いていると、長く担当していたお客様が突然来なくなることがありますよね。その時、「なぜ来なくなったのだろう？」と悩むことはありませんか？
実は、失客する理由って、ほとんどの場合はお客様から直接聞けることはほとんどありません。そして、自分で考えている理由はあくまで想像に過ぎないんです。
だからこそ、「毎回が勝負」と思い、全力でお客様に向き合うことが大切なんですよ。
失客の理由は想像でしかない
お客様が来なくなった理由って、実際にはわからないことが多いんです。例えば、何か自分に非があったとしても、そのお客様がわざわざ「こういう理由で他の美容室に行くことにしました」なんて言ってくれることはほとんどありませんよね。大きなトラブルがあれば、その時に激怒されて理由がわかるかもしれませんが、それでも「また来てください」と素直に言えない空気が漂います。そうなると、その後は何も聞けずに終わってしまうことがほとんどです。
お客様の心境をこちらが察するのは難しいですし、外見上の笑顔や何気ない言葉では、心の奥にある不満や希望を察するのは不可能に近いです。「なぜ失客したのか」は結局、自分の中で想像するしかないケースが多いのが現実です。
「いつも大丈夫」には根拠がない
多くの美容師は、何度もリピートしてくれるお客様に対して、無意識に「いつも来てくれるから大丈夫」「このお客様は笑顔だから問題ない」と思いがちです。けれど、それはただの根拠のない自信に過ぎないんですよ。
お客様は、常に少しずつ変わっていくライフスタイルやニーズを抱えています。美容室に求めることが変わったり、新しいスタイルに挑戦したいと思ったりすることもあります。そんな時、こちらが変わらず「いつも通り」でいると、いつの間にかギャップが生まれてしまうんです。
特に気をつけたいのが、お客様が「気を使っている場合」。実は、優しいお客様ほど、小さな不満や不安を直接言わないことが多いんです。「これくらい言わなくてもいいか」「担当の美容師さんも忙しそうだし」という気遣いから、不満を隠してしまうこともあります。その結果、突然他のサロンに足を運ばれてしまうことも…。
だからこそ、「いつも大丈夫」という思い込みは危険なんです。どんなに長く担当しているお客様でも、常にフレッシュな気持ちで接することが大事なんですよね。
毎回が真剣勝負
失客の理由を聞けないからこそ、私たち美容師にできることは「毎回が勝負」と心得て施術に臨むことです。毎回の施術が初めてのように、そしてこれが最後になるかもしれないという覚悟でお客様に向き合うことで、失客を防ぐことができます。
「このお客様はリピートしてくれているから安心」という油断を捨て、その都度、真剣にお客様のニーズに耳を傾けることが大切です。
そして何より、お客様が次回も来てくださることに対して、常に感謝の気持ちを持つことが必要です。感謝の気持ちは、自然と細やかな接客や丁寧なカウンセリングに現れ、それが信頼関係の維持や向上に繋がります。
笑顔と感謝を忘れずに
「感謝の気持ちを持って毎回全力で」なんて言うと、少し重たく感じるかもしれませんが、これを続けると自然とポジティブなエネルギーが生まれてくるものです。お客様は、美容師の態度や雰囲気を敏感に感じ取りますよね。だからこそ、ただ笑顔でいるだけでなく、心からの感謝をもって笑顔をお客様に向けることが大切なんです。
また、お客様が何を求めているかを察するためには、毎回のカウンセリングを丁寧に行うことが基本です。例えば、「前回のカット、どうでしたか？」「普段のお手入れで困っていることはありませんか？」など、些細なことでも聞いてみると良いですよ。ちょっとした不満や希望が見えてくることもあるし、お客様との会話が増えれば、関係性も深まっていきます。会話が生まれることで、次回の来店も自然と決まりやすくなりますよね。
終わりに
美容師として、失客は避けたいものです。でも、理由がわからないことが多いからこそ、常に「毎回が勝負」と心得て、全力でお客様に向き合うことが大切です。お客様が何を感じているのかを完璧に把握することはできないかもしれませんが、感謝の気持ちを持って真剣に接すれば、その思いは必ずお客様にも伝わります。
次回もご来店いただけることを信じて、いつも最高のパフォーマンスを提供していきましょうね！
読んでいただいてありがとうございます
約４００名の美容師を育成に携わらせていただきました。美容師のお仕事は３０歳までに92%の方が離職しています。
美容師は【続けること】が一番難しいのです。
いかに楽しく美容師をできるか？に焦点を合わせて皆様に伝えていけたらと思います
大型店勤務から現在は小型店美容室のオーナーをしています。
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遠藤 亮
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