ヨガと自律神経の関わり

【ヨガと自律神経の関わり】

はじめまして。ヨガを学び中のchiharuです。

私はもともと、ヨガとは無縁の生活を送っていました。食べるものや寝る時間も適当に、好きなことだけしていたい、ヨガをしたら色々と気を使わなくちゃいけないんでしょと思っていました。そんな自分がこんなにヨガに興味を抱くことになるなんて、数年前の私には想像もつかなかったことです。そんな私がヨガと出会ったのは、心身の不調に悩まされていた時期でした。仕事や子育てで自分のために時間を使う余裕がなく、おまけに趣味と呼べるようなことは何一つない。気がつけばいつも何かに急かされているような感覚。やがて、呼吸が浅くなりある日突然、血の気が引いていくような感覚に襲われ、頭が真っ白になるという経験をしました。自律神経の乱れからくるパニック発作や迷走反射だと診断され落ち込んだ日。その症状は私にとってとても怖いものでした。一度その感覚を体が覚えてしまうと、似たようなシチュエーションに遭遇するだけで、脳が瞬時にその恐怖を呼び起こしてきました。脈拍が急に速くなったり、逆に遅くなったり、動悸が激しくなることもありました。周りの人からは「普通にしているのに」と思われているのではないかという思いや、次第に人が沢山いる場所に行けなくなり、日々が楽しくなくなりました。

そんな時、目に飛び込んできたのが、「ヨガで自律神経を整える」という記事。藁にもすがる思いで、YouTubeを見ながら太陽礼拝を試してみました。たった一度のマットの上での時間。自分の呼吸と向き合った後、私の身体は驚くほど軽くなりました。あれだけ重かった気持ちがすっと晴れ、地に足がどっしりとついたような感覚がありました。その日を境に、毎日欠かさず太陽礼拝を2ヶ月間続けました。すると、少しずつ落ち着いていくのを実感。以前のように笑顔で過ごせる時間が増えていきました。

ヨガは、ポーズを取ることだけが目的ではありません。ヨガの教えや歴史は深く長い。マットを降りた日常生活の中にこそ生かされるものだと身をもって感じています。自律神経が乱れていた私を救ってくれたのが、集中力することができるヨガのアーサナ(ポーズ)練習。流れるように呼吸とともに行いキツイ!と感じることもあり、特にチャレンジポーズは集中力が必要とされます。そしてヨガの哲学。2000年以上前から伝えられているその教えは、苦悩や迷いに満ちた現代を生きる私たちに、とても実践的な知恵を与えてくれます。このブログでは、ポーズの美しさや難しさではなく、私のように心と身体の調和が取れない時にぜひ聞いてほしい、ヨガの魅力を伝えていきたいと思っています。

見えない敵との戦い

自律神経の不調を抱えていると、目には見えない敵である不安や恐怖が、襲いかかってきます。特に私の場合、パニック発作の恐怖が強く、ふとした瞬間に過去の辛い体験を脳が蘇らせてくる、それに対して勝手に反応してしまうことがありました。何の前触れもなく、突然血の気が引き、脈が乱れ、激しい動悸を引き起こすのです。その時の恐怖は経験した人にしかわからないものだと思います。この見えない敵に立ち向かう術が分からず、私は常に不安を抱えていました。

ヨガ哲学が教えてくれた「心の戦場」

そんな日々の中で、私が出会ったのが『バガヴァッド・ギーター』というヨガの聖典です。サンスクリット語で「神の歌」を意味するこの経典には、戦場を舞台に、迷い悩む王子が神様から生きる道筋を教え導かれる物語が描かれています。最初は自分とは無関係な話だと思っていましたが、読み進めるうちに、そして先生の講義では、この「戦場」とは私たちの心の中を映し出しているのだと気付かせてくれました。心の中には、強く勇敢な自分もいれば、エゴや執着に負けて逃げ出したくなる自分もいる。常に葛藤と向き合っているのが私たち人間なのだと、この聖典は教えてくれています。

立ち上がり、戦えという教え

『バガヴァッド・ギーター』には逃げ出したくなったときや恐怖に襲われた時に、私を奮い立たせてくれる一節があります。「私に心を向け、私を信愛せよ。アルジュナ、立ち上がれ、戦う決意をして」という言葉です。これは、苦しみや恐怖に立ち向かい、自分の心に集中しなさい、という強いメッセージだと受け取りました。自律神経が乱れてネガティブな思考に陥った時、この言葉を胸に、それは本当の自分ではない、ただの思考の産物だと受け流せるようになってきました。それは、私にとってとても大きな一歩であり、同じように悩むすべての人に知ってほしい教えです。

共感が心に灯す温かな光

私はヘッドスパの仕事もしていますが、お客様とヨガの話をすることがとても増えました。ヨガに興味を持つ方はもちろん、年齢を重ねるにつれて心と体のバランスに悩んでいる方がとても多いと実感しています。ある時、私自身の不調の経験を話したところ、「私も同じです」と共感してくださる方がたくさんいらっしゃいました。私は決して一人ではないのだと知りました。見えない不調と孤独に戦っていた私にとって、同じ経験を持つ人との共感は、一瞬にして不安を癒し、心に温かな光を灯してくれました。

日々の実践が未来の自分を育む

ヨガ哲学には、人生をどう生きるか、思考や感情とどう向き合うかという知恵が詰まっています。そして「実践」が欠かせません。『ヨーガ・スートラ』には「長い間、休みなく、大いなる真剣さをもって励まれるならば、堅固な基礎を持つものとなる」という一節があります。まさに、継続することの大切さを説いています。毎日同じことを続けるのは決して簡単なことではないですが、歯磨きのように習慣としてヨガを選択できるようになったとき、心は安定し、揺るぎない土台が築かれるのだと信じています。

繋がる・結合

ヨガという言葉は、もともと「繋ぐ」や「結合」を意味する言葉だそうです。牛と荷台をつなぐ「くびき」が語源だそう。私はてっきり、ポーズを取ることが目的だと思っていましたが、ヨガの本質は、マインドをコントロールすること。自律神経の不調をきっかけに始めたヨガでしたが、それは単なる健康法ではなく、人生を豊かにしてくれるものでした。

最後までお読みいただきありがとうございます。

このブログが私のように、心にモヤモヤを抱えている方の気付きとなることを心から願っています。

心と身体をつなぐヨガ chiharu