ヨガ哲学と子どもとの関わり

こんにちは!心と身体をつなぐYOGAです。

毎日、子育てやお仕事、家事に追われて自分の心の声を聞く時間、取れていますか?私も以前は、時間に追われ、常に子どもに「早くして!急いで!」が口癖になっていました。そして疲れ切っていました。自分の心と体の声に耳を傾ける余裕がありませんでした。そんな私がヨガと出会い、どのように変化していったのか、私の実体験を交えながらお伝えしたいと思います。

私がヨガと出会うまで

以前は人の顔を気にしながら働いていたと思います。私が言ったことにより誰かが嫌な思いをしたのではないか。私が提案したことはみんなに受け入れられるのだろうか。どう思われるかな。そんなことばかりを気にして人の顔色ばかりを伺っていた時期があったように思います。口癖は”すみません”でした。

自分の時間が欲しいとなと漠然とは思っていましたが、具体的にどうすればいいのか、何をすればいいのかも分からず、ただただ毎日を必死に生きていました。子育ては本当に予測不能で、静かだと思えばお決まりのいたずらをしたりと、毎日が驚きの連続でした。そんな日々の中で、私の心は常に波立ち、不安や焦燥感に苛まれていました。

病院で自律神経の乱れと診断され、薬を処方されましたが、どこかで「根本的な解決にはならない」と感じていました。薬がないと不安で、忘れたことに気づけば、わざわざ家まで引き返すほどでした。このパニック発作はいつまで続くのだろう、一生薬を飲み続けなければいけないのだろうかと、先が見えない状態にありました。

そんなある日たまたま見た「自律神経はヨガで整える」という記事。すぐにヨガ教室に行く勇気はなかったので、YouTubeを見ながら自宅で太陽礼拝を始めたのが、私のヨガの始まりです。若い頃、痩せたい一心でヨガをしていたこともありましたが、その時は単なるエクササイズとしか思っていませんでした。しかし、パニック発作で苦しんでいた私がすがるように始めた太陽礼拝は、私に穏やかさ、どっしりとした安定感、そして呼吸の安定をもたらしてくれたのです。

「これだ!効果があるのは間違いない!」と実感し始めた頃、もっと深くヨガを学びたいという気持ちが募り、41歳でヨガスクールに通い、RYT200養成コースを終了しました。

ヨガにはポーズがもたらす精神性がある!

以前は、ヨガのポーズはただ美しく、綺麗に取ればいいものだと思っていました。しかし、ヨガスクールで学んだのは、ポーズにはそれぞれ異なる精神性を養う効果があるということ。これには本当に驚きました。

例えば、立位のポーズは活力や自信、向上心といった精神性を養います。後屈のポーズは、受容性や寛大な心、愛や喜びといった精神性を育み、心肺機能を高め、交感神経を優位にして活力を生み出す効果があります。逆転のポーズは、自由な心や遊び心、柔らかさといった精神性を養い、頭部への血流を良くすることで自律神経を整えると言われています。そして、座ったポーズは、安定や、忍耐、堅固といった精神性を養い、内観しやすいポーズです。副交感神経を優位にしリラックス効果があるので、寝る前に少し長めにポーズをキープすることもおすすめです。深い眠りに入りやすくなります。

日常とヨガ哲学

ヨガは私にとって、まさに「日常」そのものです。子育てとヨガは切り離せない関係にあります。子供には哲学で乗り切る!と毎日思っています。

『ヨーガ・スートラ』というヨガの根本経典には、「ヨーガとは、心のはたらきを止滅することである」と説かれています。私の場合は、子育ての中で湧き上がる怒りや心配、反抗的な態度をされた時に瞬間湯沸かし器のように沸騰してしまう心を抑えることができたなら、ヨガができたと言ってもいいのかもしれません!

どうポジティブに変換しようかと考えるのがヨガ哲学でもあります。例えば、子供が虫好きで、ポケットにたくさんの幼虫を入れて帰ってきたことがありました。しかも本人はそれを忘れているので、少し時間が経って発見した時には、大声を上げてびっくりすることも日常茶飯事です。苛立って怒鳴ることも。ヨガ哲学を学んでからは、そんな出来事も「クスッと笑える日常の失敗談」として受け止められないかなと意識はするようになりました。

また、『ヨーガ・スートラ』には、「これらの心の作用は修習と無執着【離欲】によってそれ(心のはたらき)が止滅される」とあります。これは、日々の練習によって心の波立ちを鎮めることができるという意味です。私のパニック発作も、ヨガを始めてから大きなものはなくなり、たまに来る焦燥感や不安も、ヨガで学んだ哲学や呼吸法が役に立ち、すっと引いていく感覚があります。完全に元の自分に戻ったわけではありませんが、パニックになることはなくなりました。

瞑想がもたらす変化

ポーズだけでなく、呼吸法や瞑想にも興味が湧き、分からないながらも続けてみました。特に私の場合は頭の中がとても騒がしい状態だったので、瞑想中に浮かんできた思考や意識、考え事などから、また連想されたものを考え、またそれについて考え頭の中でぐるぐる回るという、まるで無限ループのような状態でした。

しかし、「見るもの(真我)」という存在が私の中にあるんだと知ったとき、感覚的に楽になるという変化がありました。

この物質的な世界では、私と私以外に区別され、エゴや自我、そしてそこから生まれる執着に苦しむとされています。瞑想法を利用しながら自分というものを観察し、やがて執着を少しずつ手放し、穏やかな平穏な境地に至っていくのだということもまさに日常がヨガそのものですよね!

およそ5000年もの歴史を持つヨガに、私が本格的に出会った期間はまだ短いですが、その魅力にすっかり魅了されてしまいました。私と同じように自律神経の乱れやパニック発作で苦しんでいる方に私の体験を踏まえてヨガの素晴らしさをお伝えできればと思い、ヨガ教室を始めました。

子育てで忙しい方、漠然とした不安を感じている方、焦燥感や心の不安定さを感じているけれど改善方法が分からない方、体が硬いから自信がないとヨガを諦めている方。ぜひ一度試してみてくださいね!

ヨガは、体が硬くても、運動が苦手でも大丈夫です。大切なのは、自分の心と体に向き合う時間を持つこと。私の体験談が不安を和らげるきっかけになれば幸いです。

ヨガを日常に。

心と身体をつなぐヨガ chiharu