美容師としての成長を目指す中で、カット技術の習得は避けて通れない大切なステップですよね。そのためにカット講習に参加することが多いと思いますが、同じ講習を受けたはずなのに、仕上がりが全く違うことってありませんか?
私自身も講習を行っていて、毎回この現象に驚かされます。そこで今回は、なぜ同じ説明を受けても仕上がりが異なるのか、そして美容師が成長するためにはどのように教えるべきかについてお話ししますね。
理解の仕方が仕上がりを左右する
先日、5人の若い美容師さんたちにカット講習を行いました。私は、展開図、口頭での注意点の説明、そして仕上がりの写真と、すべて同じものを使って指導しました。でも、驚くことに、全員が全く異なる仕上がりのカットを完成させたんです。美容師の面白さを感じる一方で、これが技術の差や経験だけでなく、理解の仕方の違いなんだなと思いました。
例えば、ある後輩は展開図を見て、カットの手順を頭の中で組み立てるのが得意。しかし、もう一人は口頭での説明を聞いて、自分なりのアプローチを試みるタイプ。仕上がりの写真を見てそれを再現しようとする人もいます。それぞれが異なる方法で情報を受け取り、それをもとにカットを行うため、仕上がりが違ってくるんです。
一人ひとりに合ったアプローチの必要性
このような経験を通じて感じたのは、カット講習において一人ひとりに合ったアプローチが必要だということです。つまり、教える側としては、後輩の理解の仕方に合わせた指導方法を工夫することが大切なんですよね。
例えば、視覚的に理解するのが得意な人には、展開図や映像を使って具体的なイメージを見せると効果的です。逆に、言葉で説明される方が理解しやすい人には、ポイントを絞って口頭で丁寧に伝えるのがいいでしょう。また、実際に手を動かしながら覚えたい人には、実演しつつ一緒にカットを進めることで、技術が身につきやすくなります。
教える側の心構え
美容師の成長を支える立場として、私たちが意識すべきことは、「全員に同じ説明をして終わり」ではなく、個々の理解の深さやスタイルに応じた指導を行うことです。教える側がこの意識を持つことで、後輩一人ひとりが最大限の成長を遂げることができます。
また、教える際には後輩たちの反応や仕上がりをしっかり観察し、何がうまくいったのか、どこでつまずいているのかをフィードバックすることも大切です。これにより、後輩たちは自分の強みや弱点を理解し、次のステップに進むための糧を得ることができます。
最後に
カット講習は、美容師としての技術を高めるための重要な場ですが、その成否は教える側のアプローチ次第です。一人ひとりの理解の仕方に応じた指導を心がけることで、後輩たちの成長をサポートすることができます。そして、その成長を見守ることこそ、美容師としての喜びの一つでもありますよね。これからも、若い美容師たちが自信を持って成長できるよう、柔軟な教え方を心がけていきたいと思います。
これからカット講習を計画している方や、教える立場にある方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
読んでいただいてありがとうございます
約400名の美容師を育成に携わらせていただきました。美容師のお仕事は30歳までに92%の方が離職しています。
美容師は【続けること】が一番難しいのです。
いかに楽しく美容師をできるか?に焦点を合わせて皆様に伝えていけたらと思います
大型店勤務から現在は小型店美容室のオーナーをしています。
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遠藤 亮
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